面影
日本では写真を撮ることを影を撮る「撮影」という。「真影」という言葉もある。天皇の写真は御真影です。 日本の神祇神道(じんぎしんとう)では神さまを感じるときは「影向」(ようごう)という言葉を使います。インフルエンスを「影響」なんて訳してますが、この言葉も凄いですね。とてもニュアンスっぽいもので、影が響くというんだからなんとも摑みにくい感じになっている。〔“フラジャイルな闘い”松岡正剛より〕
そう もう一つ 松岡正剛氏によると ウツ と ウツツ このあいだにあるものは ウツロイ だそうです。 「ゆめ うつつ」なんてよく言いますよね 漢字にしてみると「夢 現」 語意は 夢か現実か区別し難いことのようです。 さしずめ ここでは ウツは 空・虚 と言ったところでしょか。 ウツロイは 移ろい。
日本語ていいですね。
明日は冬至日です。
冬至は「とうじ」と読みますが、これを「湯治〔とうじ〕」とかけて生まれたのが柚子湯(柚子を入れたお風呂)です。柚自体にも意味があり、「融通〔ゆうずう〕が利きますように」という願いが込められているそうです。
こんな 語呂合わせもできる。
最後に、源氏物語にて
桐壺帝が桐壺更衣を亡くして 失意の底におられる時 桐壺更衣を思い詠んだ句が
「尋ねゆくまぼろしもがなつてにても 魂のありかをそこと知るべく」
尋ねて行って探し出してくれる幻(方士・幻術士)はいないものか。人づてでもよい。亡きあの人の魂がそこにある、と知ることができるだけでも。
源氏物語 ー千年の謎ー 上映中ですね。