非常用排気管を用いてのベント

 電気事業連合会は7日、東京電力福島第1原子力発電所事故を踏まえて安全性を向上するため、 放射性物質の放出量を1000分の1に減らせるフィルター付きベント(排気)設備を既存原発に設置すると発表した。
 原子力委員会の専門会合で公表した。万が一の事故が起きた際も、避難区域の縮小が見込めるとしている。
 上記の報道を聞いて 私は“ベント”と言うもの または行為に関して少し興味を持ったので調べてみました。

 圧力容器が高温・高圧になると、自動減圧系が自動的に働き、圧力容器の弁が開き圧力抑制室のプールに導かれる。その結果、圧力容器の圧力を下げる。さらに圧力容器の圧力を下げるのに圧力抑制室の圧力も下げないといけなくなる そこで 非常用排気管を用いてベント(排気の意味)によって圧力を下げる。
ここで一つ 圧力容器内の物質つまり放射性物質を含んだ空気が原発建屋外に排出されるということである。
しかし 圧力容器の弁が開き圧力抑制室のプールに導かれるので このプールの水がフィルターとして働き 外気に放出される放射性物質を軽減することが出来るのである これをウエットベントといわれている また 直接外気に放出する方法をドライベントという。ドライベントは放射性物質を濾過なしで放出ということです。
 現在も東電 政府 など福島第一原子力発電所 1号機 2号機 3号機のベントの時期やベントが成功したのか不成功だったのか報告がまとまっていないが どちらにせよ 政府も東電もベントを行なおうとしたことは確かなことなのです。
 ここで12日当日の1号機での出来事を簡単なに時系列にしてみた。
 ○ 午前10時ごろ ベント実施
 ○ 午後3時36分 水素爆発で原子炉建屋損傷
 ○ 午前4時半すぎ 非難区域を半径20㎞に拡大 
私は下記の記事を目にするまで 原子炉建屋爆発損傷は建屋上部にある使用核燃料のプールの水の冷却が電源消失などで行なえなくなり そこから発生した水素爆発だと思っていた。 ある意味 想定外 不可抗力 仕方がないのかと思っていました。
 是非この記事を読んでいただきたい。
 『福島第一原発事故、「ベント」問題の背景にある疑問とは?』
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2011/07/post-324.php
 また Wikipedia:ウィキペディアにおいて「福島第一原発事故による放射性物質の拡散」
 大規模放出開始
 東京電力は未だ原因に言及しておらず、3月15日午前6時に起きた格納容器の異音時に圧力抑制室が破損し、正門にて9時00分に最大値11930μSv/hの高濃度の放射能が観測されたとしている。しかし、この時間に急上昇した放射線量の影響による、福島第二や茨城県など他の場所での関連した上昇が観測されず、むしろそのモニタリングのデータによるとおよそ0時前後に大規模放出した事を示している。
 また、その15日深夜の大規模放出時刻は東京電力のデータからは不明であるが、アメリカ合衆国エネルギー省の資料に記載された正門のモニタリングデータを参照すると、他のピークに混ざって、東京電力の公式データには記載されていない0時頃の約1,200ミリレントゲン=約12,000μSv/Hのピークが存在する[1]。この時間帯は東京電力による2号のドライベントが予定されていた時間帯であったが、東京電力保安院の会見によるとベント操作を行ったが圧力変化が見られない為、結果大気への放出は行われなかったと発表していた。

この記事の正否はさておき 私が冷静に客観的事実だけを判断基準としようと努力して考えても 住民への「ベント」に対しての対応には疑問を持つのです。
 戦時中 空襲警報は流石に出していたのに そのころより 今の政府は国民をなんと考えているのであろうかと思ってしまいます。ベント警報を出さないといけないのではないか。
 ベント警報を出さなかったのは国民の動揺を配慮してのことなのか
 ベントの意味を知らなかったのか
  知らなかったではすまされない内容のような気がします。

 原発の廃止、有効利用を論ずる前に襟を正さないといけないことがあるように感じるのです。